THE FIVE DIMENSION (2012)

東川町RICOHポートフォリオオーディション2012参加作品(抜粋掲載)

 

「THE FIVE DIMENSION – 足下の小宇宙」

日ごろ私は、わび数寄、曼荼羅や陰陽道の宇宙観、宇宙物理論や量子論に興味があり、そのDNAを写真作品に落とし込むことを模索していました。
「ごく身近な場所に、見方を変えれば無限の世界が広がっている。」
写真の巨匠たちが残してきたこうした言葉を噛み締めながら、都心を野良猫のように歩き、ストリート・スナップを続けていたのでした。
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さて、我々の宇宙というものは、銀河の集団が銀河団を作り、更に1億光年ほどの広がりを経て超銀河団を形成しています。
その大規模構造は、右図のように平面状の壁に泡が広がっているように分布していることがわかってきました。

いっぽうで、宇宙創世の謎や高次元の解明を成し遂げようとしている量子論では、この世は素粒子から構成されており、その素粒子は波のようにゆらいでいるとされてます。

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いにしえの昔から伝わる曼荼羅のように、そして陰陽の勾玉のように、小から大、陰と陽の宇宙の断片は至るところに存在し、この写真はそれをほんの少し切り取ったに過ぎないのかもしれません。