月
万葉集 巻1-48より
「東の 野に炎の 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ」柿本人麿
(ひむがしの のにかぎろひの たつみえて かへりみすれば つきかたぶきぬ)
東方の野に曙光が差し始める頃、西方を振り返って見てみたら、下弦の月は地平に沈もうとしていた。
しかし、今日は下弦とは逆の美しいお月様だった。
ツクヨミさんが皆既月食と満月、そして冬至後の予兆について告げてくれた。日本書紀の中に、ツクヨミノミコトを探してみるとこんな一節が。
「(月弓尊)その光彩しきこと、日につげり。以て日に配べて治すべし。」
(そのひかりうるわしきこと、ひにつげり。もってひにならべてしらすべし。)
[EOS 7D / AT-X 535 PRO DX(50-135mm F2.8)]
私も、満月の前後で大きな心の変化を感じた。
月を尊べるような、ささやかで質素でありながら美しい陰の心を。
2010/12/23